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雑誌レイアウトでみるトレンドの変化と未来予想

こんにちは、ティウェブインターンの坂田・中本・津田・五位塚・阿波谷です。

『トレンドは巡っている』

ファッションの分野で特に耳にする言葉ですが、DTPのレイアウトにも時代ごとにトレンドの変遷が見られるのではないかと思い立ち、調査してみることにしました。

調査対象としたのは雑誌表紙。

同年代でも雑誌の分野ごとにデザインの偏りが出るため、「ファッション」「アイドル(芸能)」「映画」「女性週刊誌」「旅行・観光」「生活情報」「少年漫画」「少女漫画」「学習」「文芸」「スポーツ」「パソコン・ビジネス・経済」「自動車」とジャンルを設定し、各分野の雑誌の表紙を1970年から2019年まで10年ごとに区切りながら比較しました。

13のジャンル、5つの時代。

この時点で気づくべきでした。壮大な調査になることを……

13×5=65

まず5つに区切った時代の背景や世相を調べるところからはじめ、各分野の代表的な雑誌の表紙を年代事に収集・分類。一覧表にして比較し、話し合いながら考察を進めました。

65あるそれぞれの特徴と感想をここに全て記すこともできませんので、ジャンルを横断して感じた年代ごとの感想に、それを元にしたラフイメージを添えてご紹介します。

調査がメインでしたので、添えたラフイメージのクオリティには目をつむってください。なんとなく雰囲気が伝われば嬉しいです。

70年代のレイアウトの特徴

ロゴ、フォントは「手書き」風の素材が多く、コロンと丸く、全体が枠の中に納まるとても可愛い印象を受けるデザインがよく見られました。

温かみのあるクラフト感、レトロな雰囲気を感じます。

大きな写真素材を大胆に使用し、全体的にシンプルで、文字数がこの後の80年代以降と比較し少ない傾向。色彩は淡い色が中心で、べた塗りが多く使われていました。

また他の年代でも言えることですが、実際に世の中が10年ごとに明確に区切られているわけではないので、同じ70年代でも前期と後期ではずいぶん違いを感じました。

70年代で言えば、規則正しい静的なレイアウトが多かったのですが、後期には、少し崩して動きをつけたレイアウトが増えつつありました。

80年代レイアウトの特徴

70年代に比べ、一気に彩度が上がり、文字情報が増え画面上が複雑になっているものが目立ちました。

「手書き」風フォントはみられなくなり、大きく太い文字でゴシック体が多い。

ロゴ周りを中心に装飾がほどこされた、ポップ感のある「メンフィスデザイン」がDTPの世界にも現れたようです。

90年代のレイアウトの特徴

ロゴ・フォントの色の多色化、
形に動きが出てきて表現が豊かになっている特徴が見られました。

そのため80年代に引き続き、さらに画面が複雑化。ふたつ前の70年代と比べると、圧倒的に文字量が増えており、情報量が増えています。

背景の傾向では白地のものも多い印象を受けました。

フォントはゴシック体を多用し、目立たせたい文字はフォントサイズを大きく、更に太くさせて表現する傾向にあるようです。

この時代、漢字表記だったタイトルが英語表記になったものがあって、それだけでガラッと印象が変わるのが面白かったです。

2000年代のレイアウトの特徴

フォントは、太めのゴシックが多く、見出しの差は文字の大きさの強弱をつけて出しているようでした。

タイトルロゴは文字枠で強調させ、立体感を出すことがトレンド。

ぼかしやドロップシャドウ、光彩などの効果が多く使用されていて、
文字色や背景は原色やビビットピンクが高頻度で登場し、全体的に派手目な感じが目立ちました。

90年代と比較するとやや余白が出てきだした兆しが見えます。

2010年代のレイアウトの特徴

フォントは細くて小さく、余白を多くとっていることが印象的でした。

2000年代の派手なデザインとはうってかわって、シンプルなスッキリしたレイアウトがトレンド。

70年代でも見られた文字の小ささや淡いトーンが、2010年代にて再来しているのではないかと考えられます。

ここまでが調査の結果です。

ここで冒頭の『トレンドは巡っている』という言葉に戻り、巡ってくることを前提に2020年代に流行りそうなレイアウトを大胆予想してみました。

2020年代に流行るレイアウトの予想

2010年代がやや70年代のレイアウトトレンドをなぞっているように感じたため、2020年では80年代のレイアウトトレンドの再来を予想します。

引き続きシンプルなスッキリしたレイアウトデザインの流行は続きそうですが、80年代の【太くて大きいフォント】【ロゴ周りの装飾】【彩度が高めのカラー】が今後増えていくのではないでしょうか。

70年代(シンプル)
80~00年代(派手)
2010年代(シンプル)
となっているように感じたので、「派手」の時代がまた来るかもしれません。

まとめ

以上が調査結果となります。
70年代のトレンドが2010年代に巡ってきたように感じたため、
40年ごとにトレンドが巡っていると予想しましたがいかがでしょう。

今後レイアウトデザインを作成する際は、
40年前のトレンドデザインを参考にしてみると
もしかしたら今っぽくなるかもしれませんので、
是非試してみてくださいね!

今回、なにより大変だったのは資料集めでした。また今回は調査自体が目的でしたが、何かをデザインするに当たってはこうした地道な事前調査が裏側にあることも学びのひとつでした。

そして、何となく感じるデザインの違いなど、視覚デザインを言語化することの難しさを学びました。デザインに関する語彙の無さを痛感しました。

今回は割愛しましたが、ジャンルごとに見ると、ジャンルによってよく使われる色が違っていたり、使われる色の数が違ったり、そういった発見も面白かったです。みなさんもぜひ一度、調べてみてください。